ギターオープンチューニング・変則チューニングの解説

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ギターのチューニングというと、
EADGBEのレギュラーチューニングが一般的に使用されています。
ですが演奏ジャンルやギタリストによっては、
通常と全く違うチューニングが使われています。
「オープンチューニング」「変則チューニング」と呼ばれています。

チューニングが変わると開放弦の響きが大きく変わるため、
演奏性も大きく変わり、楽曲の雰囲気を決定づけるほどの影響があります。
この記事では代表的な「オープンチューニング」や、
「変則チューニング」の特徴などを解説していきます。

 

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ギターオープンチューニング・変則チューニングの特徴と魅力


「オープンチューニング」・「変則チューニング」とは、
通常のレギュラーチューニングとは違って、
開放弦をストロークするだけで和音が鳴るように調律することや、
全く違う響きを作るためにチューニングを変えられているものを指します。

そもそも現在のレギュラーチューニングが一般的なチューニングの原型として定着したのは、
ビウエラという弦楽器が使用されていた16世紀ごろとされております。
「オープンチューニング」・「変則チューニング」はさらに100年前、
リュートまで起源をさかのぼるとされています。

共通しているものとしては、狙った音が出しやすくなったり、
押さえ方フィンガリングが楽になったり、
なにより独特の美しい音が出せる効果があります。

例えば人指し指で6弦から1弦に渡りフレットをすべて押さえるだけでコードになり、
バレーコードフォームなしで、
ポジションをずらしていくだけでコードになってくれます。

また「オープンチューニング」の場合は、オープンという字のすぐ後ろに、
キーを表すアルファベットが入るようになっております。
例としては「オープンDチューニング」や「オープンGチューニング」などです

 

前衛的な音楽やオルタナティブロック等では、
さらに変則的なチューニングが使用されております。
楽曲の演奏性や調性だけでなく、
そのチューニングでしか演奏できないオリジナル曲も複数生まれてきました。

正確なチューニングが必要になりますので、
ぜひぜひ精度のよいチューナーを使ってお試しくださいね。

また専門書が一冊お手元にあると、チューニング一覧を確認できたり、
使用された背景も知ることができて面白いと思います。

 

 
また変則チューニングでは音を下げることで弦のテンションが下がるため、
弦がびろーんとなってしまいがちです。
そのため変則チューニングを多用するギタリストは、太めのゲージを張っていることも多いです。

 

オープンDチューニング

オープンDチューニングは、開放弦の状態でストロークをした際に、
Dメジャーのトライアド(三和音)コードが鳴るように調整されたチューニングです。

ポップスからフォーク、
ブルースなど様々なジャンルで愛されているチューニングです。

6弦 D
5弦 A
4弦 D
3弦 F#
2弦 A
1弦 D

 

ソロギターで有名なチューニングのDADGAD(オープンDsus4)は、
オープンDの3弦が半音上がり、F#→Gになっています。

オープンDチューニングの有名ミュージシャン

・ジョニミッチェル
・ポール・サイモン(サイモン&ガーファンクル)
・クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング(CSN&Y)
→特にクロスビーとスティルスが変則チューニング多様していた。ヤングはニール・ヤングのこと。
・リチャードトンプソン(フォークケルト的音楽背景を持つ名ギタリスト)
→DADGADもよく使用されています。
・ニックドレイク(イギリスの伝説的シンガーソングライター)
→後述のオープンGをはじめ他にも様々なチューニングを使用していた。

 

オープンDチューニングのかんたんなコードフォーム一覧

オープンDチューニングのかんたんコードフォーム一覧
通常のチューニングの押さえ方とは変わりますが、
かんたんな押さえ方でM7やsus4add9などなど、
より豊かな表現ができるコードが鳴らせます。

 

開放弦のストロークだけでメジャーDが鳴るため、
人差し指でバレーしていくことですべてのメジャーコードが鳴らせます。
オープンDチューニングのバレーフォーム一覧
が、せっかくのオープンチューニングなので開放弦を含めて演奏するととても楽しいですよ!

 

 

オープンGチューニング

オープンGチューニングは、開放弦の状態でストロークをした際に、
Gメジャーのトライアド(三和音)コードが鳴るように調整されたチューニングです。

多くの超有名なブルースミュージシャンが使用しており、
特にローリングストーンズのキースリチャーズが使用していることで広く知られています。

6弦 D
5弦 G
4弦 D
3弦 G
2弦 B
1弦 D

 

オープンGチューニングの有名ミュージシャン

・キースリチャーズ(ローリング・ストーンズ)
・チャーリーパットン(デルタブルースの第一人者のひとり)
・サンハウス(デルタブルースの代表人物。リゾネーターギターが特徴的)
・ロバートジョンソン(伝説的ブルースマン)
・マディウォーターズ(シカゴブルースの父)
・エルモアジェイムス(ジミヘンをはじめ様々なロックギタリストの影響元)
・ジョニーウィンター(プロ契約金100万ドルのギタリスト)
・オールマンブラザーズ
・ライクーダー(フィンガーピッキングおよびスライドギターの名手)

非常にブルースミュージシャンが多いです。
ボトルネック奏法にもよく合いますね。

 

オープンGチューニングのかんたんなコードフォーム一覧

オープンGチューニングのかんたんコードフォーム一覧
かんたんな押さえ方でM7やsus4add9などなど、
より豊かな表現ができるコードが鳴らせます。

 

開放弦のストロークだけでメジャーGが鳴るため、
オープンDと同じく、人差し指でバレーしていくことですべてのメジャーコードが鳴らせます。
が、せっかくのオープンチューニングなので開放弦を含めて演奏するととても楽しいですよ!

 

オープンEチューニング

オープンEチューニングは、開放弦の状態でストロークをした際に、
Eメジャーのトライアド(三和音)コードが鳴るように調整されたチューニングです。

6弦 E
5弦 B
4弦 E
3弦 G#
2弦 B
1弦 E

 

オープンEチューニングの有名ミュージシャン

現代エレキギターの三大ギタリストとして知られる、
デレクトラックスなどがよく使用しています。
(というかほぼすべてオープンEで弾いているそうです…)

 

ドロップチューニング(ローダウンチューニング)

手軽に迫力のあるヘヴィな音色を得られるドロップチューニング。
パワーコード(omit3)を、よりかんたんに押さえることができます。

 

 

ブルースはもちろんハードロックからオルタナティブロックまでと、
さまざまなジャンルで使われています。

 

ドロップDチューニング

6弦 D
5弦 A
4弦 D
3弦 G
2弦 B
1弦 E

 

ドロップDチューニングは、
レギュラーチューニングの「6弦のみを1音下げて」演奏するチューニングです。

ヘヴィ・メタルロックバンド、
ブラック・サバスのギタリストのトニーアイオミが象徴的に知られています。
トニーアイオミは、事故で指の先端を失ってしまっておりますが、
このドロップDチューニングでハンディを克服。
ヘヴィ・メタルの世界的な「リフメーカー」となっております。

(余談ですがジプシージャズのジャンゴ・ラインハルトも、
火災で指に障害を追いつつも伝説的なギタリストとして知られています。
ハンデを跳ね返して活躍されている偉人を知ると感動しますね)

他にもレッド・ツェッペリンのジミーペイジやヴァン・ヘイレンなどなど、
歴史に名を刻む名だたるロックギタリストたちに愛されてきました。
(特にジミーペイジは複数の変則チューニングを駆使していますね)

90年代以降のギターヒーローである、ニルヴァーナのカートコバーンやサウンドガーデンのキムセイルをはじめ、界隈のミュージシャンたちによく使用されていました。

 

ドロップGチューニング

ドロップDよりもさらにヘヴィな、
ドロップGチューニングも存在しています。
レギュラーチューニングから6弦をDに下げ、
さらに5弦をGに落とすチューニング方法です。

6弦 D
5弦 G
4弦 D
3弦 G
2弦 B
1弦 E

 

DADGAD(ダドガド)チューニング等について

ソロギターアイリッシュ・ケルトなど民族音楽の伴奏などに頻出のチューニングです。
Dsus4のオープンチューニングになっており、
メジャーとマイナーのあいまいさが最大の特徴であり魅力です。

開放弦に適当に押弦してジャカジャカ弾くだけでも、
めちゃくちゃ響きが気持ちいいです。

このような民族音楽的な響きのあるチューニングは、
モード旋法の背景から「モーダルチューニング」とも呼ばれています。

 

6弦 D
5弦 A
4弦 D
3弦 G
2弦 A
1弦 D

 

ダドガドチューニングは、
3弦を半音下げてF#にしてあげるとオープンDチューニングになります。

 

DADGADチューニングのかんたんなコードフォーム一覧

DADGADチューニングのかんたんコードフォーム一覧
通常のチューニングと違い適当に開放弦弾くだけでも本当に美しいですが、
かんたんな押さえ方でM7やsus4add9などなど、
複雑なコードが鳴らせます。

 

その他の有名な変則チューニング

上記でご紹介した有名な変則チューニングとは別に、
複数の変則チューニングが知られています。

ナッシュビルチューニング

ナッシュビルチューニングは今までの傾向とは反対に、
4弦から1弦にかけて1オクターブ上にあげるチューニングです。
当然通常なら弦が切れてしまいかねないので、
専用の細い弦を張ってチューニングします。

石川鷹彦さんが使用したことで広く知られることに。

 

スラックキーチューニング

ハワイの伝統音楽には、
「スラックキーギター」という独自の奏法とチューニングがあります。
演奏者によって千差万別ではあるそうですが、
オープンGと同じチューニングがよく使われているようです。
さらに3弦のみ、オープンGからさらに半音下げたチューニングもよく使われています。

6弦 D
5弦 G
4弦 D
3弦 F#
2弦 B
1弦 D

 

オリジナルの変則チューニングで有名なミュージシャン

ニックドレイク(Nick Drake)

早逝したイギリスの伝説的シンガーソングライター、
ニックドレイクは変則チューニングを多用したことでも知られています。

代表的なチューニングに「CGCFCE」があります。
サードアルバムのタイトルトラックである「Pink Moon」もこちらのチューニングが使用されています。

6弦 C
5弦 G
4弦 C
3弦 F
2弦 C
1弦 E

 

静寂な世界観ですが、初めての視聴の際はきっと衝撃的だと思います。
歌もギターワークも、非常に美しい音楽を残してくれています。

 

ソニック・ユース(サーストンムーア、リーラナルド)

2021年ギターマガジン4月号90年代オルタナ特集
オルタナティブ・ロックバンドのギタリストには、
複数の変則オリジナルチューニングを使用しているバンドが複数ありますが、
一番知られているがソニック・ユースのサーストン・ムーアです。

1990年のメジャーデビューアルバム「Goo」のタイトルトラック、
「Dirty boots」も変則チューニングで開幕します。
EGDGED

6弦 E
5弦 G
4弦 D
3弦 G
2弦 E
1弦 D

 

他にはよく「GGCGCD」などのチューニングも使用されていたようです。
曲ごとに複数のチューニングのギターを使い分けており、
ローディーから次々と投げ渡されるギターも含めて、
当時それはそれはクールだったそうな。

 

パット・メセニー

ジャズ・フュージョンギタリストからは、
パット・メセニーのご紹介です。

ピカソギターや数多くのアーティスティックな世界観で知られていますが、
氏のお気に入り曲のアコースティックギターカバー曲のみで構成された2003年リリースのアルバム、
「One Quiet Night」という傑作アルバムがあります。

こちらではバリトンギターという通常のギターよりもスケールの長いアコースティックギターを用い、
レギュラーチューニングの5音下げ(!)したものをさらにナッシュビルチューニングするなどの、
オリジナルチューニングが用いられています。

 

ケヴィンシールズ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)

2021年ギターマガジン6月号ケヴィンシールズ特集
アイルランドオルタナティブ・ロックのギタリストであり、シューゲイザーの元祖、
フローティングトレモロを用いた現代ジャズマスター演奏の大家として知られているミュージシャンです。

一般的に大量のエフェクターで甘美なノイズを生み出すイメージがありますが、
彼もまた変則チューニングを用いて世界観を作り上げているギタリストでもあります。

代表アルバム「loveless」も大半の曲が変則チューニングが用いられています。
アコースティックギターが用いられている7曲目「sometimes」もその一つです。
「DADAAD」というチューニングが用いられています。
D5(omit3)のオープンチューニングです。

 

6弦 D
5弦 A
4弦 D
3弦 A
2弦 A
1弦 D

 

2021年6月号のギターマガジンになんと本人直伝(!)のチューニングやサウンドプロダクションにつき、
3時間にもおよぶインタビューがなされています。ファンの方はまじで永久保存におすすめです。

 

 

吉村(ブラッドサースティーブッチャーズ)

日本の代表的なオルタナティブ・ロック「ブラッドサースティーブッチャーズ」のフロントマン、
吉村秀樹さんはオリジナルチューニングで非常に有名です。

既存の変則チューニングの法則性に当てはまらず、
感性でのチューニングが施されています。
プロでもカバー演奏が非常に困難であることでも知られています。

代表的なアルバム「kokorono」に収録されている、
バンドを代表する曲である「7月」も既存では見ることのないチューニングが施されています。

 

6弦 D#
5弦 G#
4弦 D#
3弦 G#
2弦 C
1弦 F

 

Dをルートに考えて音を数えると、
R・2度・4度・6度と非常に不可思議な音になっています。
コードにすると「D6sus4add9」でしょうか?不思議な音です。

 

 

そこそこ前に発刊されたものになりますが、2014年1月号のギターマガジンに吉村秀樹さんの特集が組まれました。
チューニングや使用機材など、非常に仔細な記事になっているため、
ファンの方は永久保存必至です。

 

ゲーム音楽でも使える変則チューニング

RPGなどゲーム音楽にはギターがメインに取り扱われている曲も多くあります。
別の楽器で演奏されていても、
「変則チューニングを用いたアルペジオ」などでコピー演奏が可能ものもめずらしくありません。

 

ダークソウル『Soul of fire(menu theme)』の変則チューニング

Soul of fireの流れるダークソウルリマスタードキャラクター作成画面
『ダークソウル(Dark Souls)』は、2011年に発売され、
のちに「ソウルライク」というジャンルの元祖となったゲームです。

『Soul of fire(menu theme)』は、
本編開始後のキャラクターエディット画面で流れ続けるインストルメンタルです。
原曲はハープ系で演奏されていますが変則チューニングを用いることで、
クラシックギターやアコースティックギターでも世界観を崩さずにコピーすることができます。

6弦 D#
5弦 A#
4弦 D
3弦 G
2弦 A#
1弦 F

 

「オープンD#M79」のチューニングで演奏されることが多く、
このチューニングで適当につま弾くとほんとにそれっぽい演奏がかんたんにできます。

ちなみに「D#」がルート音として、
「G」が長3度、「A#」が5度の音、
「D」が長7度、「F」が9度(2度)の音の構成になっています。

 

ギターのオープンチューニング・変則チューニングの本、専門書籍

変則チューニングに的を絞られた本はあまりありませんが、
現行で2冊が現在も販売されております。
お手元にあるとさっと見なおすことができておすすめです。

一冊は日本のアコースティックギタリスト・フィンガーピッカーの大家である、
打田十紀夫先生の書籍です。
非常に深いカントリーブルースギターの造詣を背景に、
詳細な解説がなされています。

 

 

もう一冊は、非常に多くの教則本を出されており、
アーティストへの多数の楽曲提供もされているギタリスト、
四月朔日義昭先生の著作です。

 

おわりに

ギターのチューニングはレギュラーチューニングだけではなく、
さまざまなオープンコードチューニングで演奏を楽しむことができます。

とくにアコギではオープンコードがより美しく響きますので、
どんどん試していきましょう。開放弦ストロークするだけで別世界です。

まだまだわれわれの知らない自由がギターには隠されているのかもしれませんね。

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