ある程度のコードが弾けるようになったら、
コードの仕組みを勉強してみるのも面白いかもしれません。
各コードの構成音がわかるようになると、
自分の押さえていたフォームの仕組みが理論的にわかり、
練習や耳コピでコードを探すのがより効率的かつ確実にできるようになったりもします。
本記事ではトライアド(三和音)コードの解説続き、
セブンスのコードの仕組みと構成音の解説を行います。
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ギターコードの仕組み解説の前準備
コードの仕組みを理解するために、
例によって音の仕組みを解説をしたいと思います。
そんなこと知ってるよ!という方はこちらから本題へお移りください。
まずは音の並びに一定の「法則性」があることと、
キーの音からの距離によって「1度~7度」に変化するということを覚えてしまいましょう。
音程(インターバル)について
曲を演奏するにも、和音を鳴らすにも、
「特定の音」を基準とした音程があります。
この特定の音との距離によって、音程が様々に変わっていきます。
この距離のことを「インターバル」と呼びます。
ギター弾きの場合ですと、指板を見て演奏するのであまりなじみがありませんが、
音程はピアノの鍵盤で表現されています。
子供のころからよく耳にする「ドレミファソラシド」は「CDEFGABC」の音名となり、
鍵盤上ではこちらのように並びます。
ピアノの鍵盤の白鍵のならびは、ギターの指板上では「2フレット」分の距離になります。
黒鍵ですと、ギターの指板上では「1フレット」分の距離となります。
ただEとFやBとCだけは白鍵の隣同士ではありますが、
「半音分の距離」となっています。
ギターのバレーコードのフォームを想像してもらえると、
EとFやBとCは半音(1フレット)分ずつずれているため、わかりやすいかもしれません。
音程の度数について
白鍵の部分だけに着目して距離によって呼び名があります。
完全1度(キー音)
長2度
長3度
完全4度
完全5度
長6度
長7度
完全8度(キー音のオクターブ違い)
と識別されています。
Cをキーとした場合ですと、
完全1度(キー音)=C
長2度=D
長3度=E
完全4度=F
完全5度=G
長6度=A
長7度=B
完全8度(キー音のオクターブ違い)=C
となります。
他の音からはじまる場合もCをキーとした場合と同じく、
全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音
の並びで一巡するようになっています。
CからBまでの白鍵黒鍵すべてを数えた12音から7音を抜き取ると、
「ダイアトニックスケール」(全音階)という音階が現れます。
これは「クロマチックスケール」(半音階)と対になっています。
度数の変化について
完全1度と完全4度、完全5度は完全という名前の通りとても円滑な響きを持っています。
完全8度は完全1度の音の1オクターブ上の同じ音になります。
完全音程の場合は、
半音下がると「減音程(ディミニッシュ)」
、半音上がると「増音程(オーギュメント)」に変化します。
「長2度」と「長3度」や「長6度」と「長7度」は完全音程とは違い、
それぞれ半音音が下がると
「短2度」、「短3度」、「短6度」、「短7度」になります。
これはそのまま「メジャー」と「マイナー」の関係になります。
「短○度」からさらに半音音が下がると「減音程(ディミニッシュ)」になり、
「長○度」から半音上がる場合は「増音程(オーギュメント)」になります。
あくまで特定のキーの第1音の「ルート音」との距離の関係により決まってきます。
この半音の動きによって、
同じ黒鍵上の音でも音名が違う理由になっています。
(C#とD♭などなど)
音の並びがこうした法則になっていることをなんとなく押さえておきましょう。
ギターコードの仕組み/セブンス(四和音)の構成について
ギターコードを覚えていく際に頻出のコードとして、
7th(セブンス)系コードがあります。
別名に「四和音」や「テトラテッド」と呼ばれています。
トライアド(三和音)のコードよりも、より複雑な響きを持たせることのできるコードです。
特定の三和音のコードに、
そのコードのルート音に対して「7度」の音を足すことで構成されています。
マイナーセブンスコードについて
マイナーセブンスコード(「〇m7」)は、
トライアドのマイナーコードに、ルート音に対して「短7度」の音を加えることで構成されています。
キーのルート音に対して円滑なコード進行を表現できる、
「セブンスのダイアトニックコード」にも頻出のコードフォームです。
マイナーコードよりも重くなりすぎず、切ない印象の音になります。
マイナーセブンスコードの構成音について
マイナーセブンスコードは次の4つの音から成り立っています。
完全1度(P) | ルート音 |
---|---|
短3度(m3) | ♭3(ルート音から半音3つ上) |
完全5度(P5) | 5(ルート音から半音7つ上) |
短7度(m7) | ♭7(ルート音から半音10個上) |
例としてDのマイナーセブンスコードの構成音を見ていきましょう。
より詳しく見ていく場合はダイアトニックコードで見たり、
スケールに沿って音を探す方法もあります。
ダイアトニックセブンス・コードで構成音を見ていく際は、
例としてCメジャースケール(「全半全 全全半全」の並び)の「2度」の音に対して、
3度体積により音を探していきます。
もしくは土台がマイナーコードのため構成音を探すには、
キー音に対して「全半全 全全半全」音で並ぶ「ナチュラル・マイナー・スケール」に沿って見ていきましょう。
マイナーセブンスコードのコードフォームについて
続いてコードフォームを見ていきましょう。
ルート音 | D(4弦開放弦) |
---|---|
♭3度 | F(1弦1フレット) |
5度 | A(3弦2フレット) |
♭7度 | C(2弦1フレット) |
いずれの「マイナーセブンスコード」でもルート音に対して、
♭3度、5度、♭7度の体積により「○m7」コードを鳴らすことができます。
マイナーセブンスコードの表記について
ちなみにセブンス以降のコード名表記については、
省略されているものも多いためご注意ください。
「○m7」という表記のコードがあれば、
「○マイナーのマイナーセブンス」という意味になります。
(○の中に任意のキーのルート音が入ります)
実際は「○マイナー(のマイナー)セブンス」とカッコ書きの中が、
譜面上で見やすいように省略されています。
メジャーセブンスコードについて
メジャーセブンスコード(「〇M7」)の場合は、他の7th系コードとは違い、
短7度の音ではなく「長7度」の音をメジャートライアドに加えることで成り立っています。
おしゃれなポップスやジャズ・フュージョンなどでよく使われるコードです。
一つ鳴らすだけでもとてもおしゃれに鳴ってくれます。
こちらもキーのルート音に対して円滑なコード進行を表現できる、
「セブンスのダイアトニックコード」にも頻出のコードフォームです。
メジャーセブンスコードの構成音について
メジャーセブンスコードは次の4つの音から成り立っています。
完全1度(P) | ルート音 |
---|---|
長3度(M3) | 3(ルート音から半音4つ上) |
完全5度(P5) | 5(ルート音から半音7つ上) |
長7度(M7) | 7(ルート音から半音11個上) |
例としてCのメジャーセブンスで見ていきましょう。
土台がメジャーコードのため構成音を探すには、
キー音に対して「全全半 全全全半」の音で並ぶ、
「メジャー・スケール」に沿って見ていきましょう。
メジャーセブンスコードのコードフォームについて
続いてコードフォームで見てみましょう。
ルート音 | C(5弦3フレット) |
---|---|
長3度 | E(4弦2フレット) |
5度 | G(3弦開放) |
長7度 | B(2弦開放弦) |
2弦の開放弦のBの音で、
Cルート音に対して「長7度」の音が構成音に含まれていることがわかります。
メジャーセブンスコードの表記について
ちなみにセブンス以降のコード名表記については、
省略されているものも多いためご注意ください。
「○M7」という表記のコードがあれば、
「○メジャーのメジャーセブンス」という意味になります。
(○の中に任意のキーのルート音が入ります)
実際は「○メジャー(のメジャー)セブンス」とカッコ書きの中が、
譜面上で見やすいように省略されています。
セブンスコードについて
セブンスコード(「〇7」)は、
トライアドのメジャーコードに、ルート音に対して「短7度」の音を加えることで構成されています。
こちらもキーのルート音に対して円滑なコード進行を表現できる、
「セブンスのダイアトニックコード」にも頻出のコードフォームです。
少し不思議なコミカルな印象の音になります。
セブンスコードの構成音ついて
セブンスコードは次の4つの音から成り立っています。
完全1度(P) | ルート音 |
---|---|
長3度(M3) | ♭3(ルート音から半音4つ上) |
完全5度(P5) | 5(ルート音から半音7つ上) |
短7度(m7) | ♭7(ルート音から半音10個上) |
例としてCセブンス・コードで見ていきます。
土台がメジャーコードのため構成音を探すには、
キー音に対して「全全半 全全全半」の音で並ぶ、
「メジャー・スケール」に沿って見ていきましょう。
「ルート音」と「長3度」と「完全5度」でメジャートライアド(三和音)を作ります。
その後「メジャーセブンスコード」とは違い、
ルート音に対しての「短7度」の音を重ねて四和音にします。
セブンスコードのコードフォームついて
続いてコードフォームを見ていきましょう。
ルート音 | C(5弦3フレット) |
---|---|
3度 | E(4弦2フレット) |
5度 | G(※省略されています) |
♭7度 | B♭(3弦3フレット) |
3弦3フレットのB♭でマイナー7度を出しています。
また○7コードに限りませんが5度の音が省略されており、
指板上のどこにも出てきません。
コードの響きを作る際に完全5度は省略されても和音の状態を阻害しないことも多く、
完全5度の音が省略されるコードは複数あります。
セブンスコードの表記について
ちなみにセブンス以降のコード名表記については、
省略されているものも多いためご注意ください。
「○7」という表記のコードがあれば、
「○メジャーのマイナーセブンス」という意味になります。
(○の中に任意のキーのルート音が入ります)
コードのアルファベットが単体で表記されている場合は、
基本的にメジャーコードを意味します。
また7も前にMやMajorなどがつかない場合は、
基本的に「マイナーセブンス」を意味します。
マイナーセブンス♭5コードについて
マイナーセブンス♭5コード(「〇m7♭5」)は、
マイナーセブンスコードの完全5度の音を半音下げる(減5度)と鳴らせます。
もしくはトライアドのディミニッシュコードに、
ルート音に対して「短7度」の音を加えることでも構成されています。
別名「ハーフディミニッシュコード」とも呼ばれています。
こちらもキーのルート音に対して円滑なコード進行を表現できる、
「セブンスのダイアトニックコード」にも頻出のコードフォームです。
非常に印象的な音色になっており、
コード進行の中にひとつ取り込むととてもドラマティックになります。
マイナーセブンス♭5コードの構成音ついて
マイナーセブンス♭5コードは次の4つの音から成り立っています。
完全1度(P) | ルート音 |
---|---|
短3度(m3) | ♭3(ルート音から半音3つ上) |
減5度(dim5) | 5(ルート音から半音6つ上) |
短7度(m7) | ♭7(ルート音から半音10個上) |
マイナーセブンスコードの構成音などわかりやすいものをもとに、
完全5度の音を半音下げると視覚的にも理解しやすいです。
マイナーセブンス♭5のコードフォームついて
続いてコードフォームを見ていきましょう。
例としてCm7♭5を見てきましょう。
ルート音 | C(5弦3フレット) |
---|---|
3度 | E♭(2弦4フレット) |
5度 | Gdim(4弦4フレット) |
♭7度 | B♭(3弦3フレット) |
4弦4フレットで決め手の音の減5度が鳴ります。
バレーコードのCmのコードフォームと比べると5度の音の動きがわかりやすくなります。
マイナーセブンス♭5の表記について
ちなみにセブンス以降のコード名表記については、
省略されているものも多いためご注意ください。
「○m7♭5」という表記のコードがあれば、
「○ディミニッシュコードのマイナーセブンス」という意味になります。
(○の中に任意のキーのルート音が入ります)
通常のマイナートライアドコードの5度を半音下げて減5度にすると、
ディミニッシュコードができあがります。
これにセブンスを加えると、m7♭5になります。
また「ディミニッシュコード」に「ディミニッシュ7(マイナー7のさらに半音下の音)」を加えると、
「dim7」となります(○dimdim7という意味に)。
こちらと「m7♭5」を比較すると、
7度がディミニッシュでなく半分だけ下がった「マイナーセブンス」のため、
「ハーフディミニッシュ」とも呼ばれています。
シックスコード・マイナーシックスコードについて
シックスコード(「〇6」)とマイナーシックスコード(「○m6」)は、
三和音のコードにメジャー6の音を加えたコードです。
このコード単体で印象深いというより他のコードとの組み合わせや、
半音ずつ動きをつけるコード進行(クリシェ)などで活躍してくれます。
シックスコード・マイナーシックスコードの構成音ついて
シックスコードは次の4つの音から成り立っています。
完全1度(P) | ルート音 |
---|---|
長3度(M3) | ♭3(ルート音から半音4つ上) |
完全5度(P5) | 5(ルート音から半音7つ上) |
長6度(M6) | 6(ルート音から半音9個上) |
マイナーシックスコードは次の4つの音から成り立っています。
完全1度(P) | ルート音 |
---|---|
短3度(m3) | ♭3(ルート音から半音3つ上) |
完全5度(P5) | 5(ルート音から半音7つ上) |
長6度(M6) | 6(ルート音から半音9個上) |
トライアドに長6度を足すと完成するため、
かんたんなオープンコードで見ていくとわかりやすいです。
シックスコード・マイナーシックスコードのコードフォームついて
続いてコードフォームを見ていきましょう。
例としてC6とDm6を見てきましょう。
ルート音 | C(5弦3フレット) |
---|---|
長3度 | E(4弦2フレット) |
完全5度 | G(省略されています) |
長6度 | A(3弦2フレット) |
ルート音 | D(4弦開放弦) |
---|---|
短3度 | F(1弦1フレット) |
完全5度 | A(3弦2フレット) |
長6度 | B(2弦開放弦) |
シックスコード・マイナーシックスコードの表記ついて
コードネームの表記については「○7」と違い、
「○6」や「○m6」の場合はメジャーの6度を意味しています。
おわりに
ギターコードはコードフォームで覚えることが多く、
ある程度のフォームを指で覚えてしまうと演奏が楽しめます。
が、そもそものコードフォームの仕組みを理解できると、
その後の上達や理解の深まり方が格段に早くなります。
何よりもっとギター演奏が楽しくなってきますので、
少しずつ勉強していけると良いですね。
筆者も少しずつ勉強していきます。