アコギ演奏と言えば弾き語り主体のアーティストがたくさんいます。
今は難しくなってしまいましたが、あなたはアコギ演奏のライブをご覧になったことはありますでしょうか?
きちんとしたライブハウスはもちろんのこと、
商業施設の広場や地域イベントの特設ステージなど、
音楽ライブやイベントはたくさんの人の手から成り立っています。
仮にステージに立つのが一人のインストや弾き語りスタイルであったとしても、
表には見えてこない複数の仕事でできています。
こちらの記事では演奏から少し離れて、
音楽関連の業務に4年間弱従事していた筆者が体験した音楽関連の実際のお仕事についてお話します。
中でも、
我々が演奏する側になった際にも直接的にお世話になる「音響のお仕事」についてお話をしてみたいと思います。
我々の練習の成果を最大限に伝えるために、
人知れないたくさんのお仕事があったりします。
人が集まるところには必ずいる「音響さん」
音響のお仕事はアコギ演奏に限らずライブやイベント、
地方のお祭りから運動会と「人が集まる催し」には必ず人知れず活躍しているお仕事です。
「PA(ピーエー/パブリックアドレス)」とも呼ばれていますので、こちらの方が耳馴染みがあるかもしれません。
ステージ袖にいることもあれば客席後方にいることもあり、
階を跨いでミキサー操作をしている場合もあります。
音響のお仕事の働き方
働き方としてはライブやイベントは終日の稼働となることが多く、
仕込みのため前日から会場入りをしたり、遠方の現場の場合は前泊等も発生します。
出張が付き物のお仕事でもあります。
仕事で色んなところに行けて、その土地の美味しいものを楽しみにしているかたも多くいらっしゃいました。
毎日が非常にハードですが、すげー軽い言い方をしてしまうと学園祭の準備と本番を毎日こなすような感じでもあります。
音響のお仕事の業務内容
音響のお仕事の業務内容の流れを列記すると、
- 1.お客さんの予算に沿った要望のヒアリング・確認
- 2.機材準備と人員手配、現地への輸送
- 3.設営と本番
- 4.後片付けと機材引き上げ
- 5.外注制作分の処理や請求の処理など(現地処理等もあるため)
といった具合になります。
(この前段階の営業的箇所は省いております)
さらに1と5に関しては権限や部署によって触れないこともあるため、
2、3、4を細かく見ていければと思います。
1.機材準備
音響にはシステムを組む必要があり、
大型のスピーカーやパワーアンプをはじめキャノンケーブルやマイクスタンドなど細々したものまでと機材の準備が必要になります。
現地に機材や設備が整っている場合は例外となりますが、
基本的に現場へ搬入する必要のあるものが多く、
遅くとも前日にはスケジュールも確定し、搬入する機材の積込などが全て終わっている状態になります。
会場がホールの場合は、現地の設備を使用することもあり、機材搬入量が低減されることもあります。
2.輸送・搬入・設営
野外イベントの場合は完全に全て持参することになりますので、
規模によってはトレーラーを一台分を積込み、2名程度で現地まで輸送して現地で合流し大勢で搬入し、設営をしたりという流れもあります。
逆に小さい規模であれば一人で軽トラに積み込んで現地輸送、搬入、設営、本番を行うこともあります。
設営の際は、細々したものであれば対して荷物になりませんが、
大型のものだと12kgから24kgなど平気でするので力仕事になります。
夏場の炎天下のときなどホントにフラフラになってしまうことも多々あります。
3.設営~本番前
設営が済んだらミキサーを操作し、音出しをしてマイクテストやスピーカーのテストをしていきます。
チェックを終えればその場の雰囲気に沿った音楽をかけて(主催者側からオーダーがあればそれに乗っ取って)本番の時間に備えます。
この時に好きな音楽をかけられることもあり、楽しみになったりもします。
この間に主催者や来賓との挨拶があったり、イベント自体のタイムテーブルも再確認しておきます。
また、休憩はこの間にとっておいたり、食事をとったりしておきます。
午後からの現場の場合はこれで午前中全て使いきるイメージです。
4.本番
本番はじまってしまうと絶対に進行を止めないよう、細心の注意を払っての仕事になります。
野外イベントの場合でもホールでのイベント場合でも、必ず「借りている時間の決まり」があります。
このおしりの時間までに撤収も終わっておかなければ追加料金も発生しますので、
主催側もこちらも時間の調整に非常にピリピリとしてもきます。
観客席のお客さんの反応が見えると、一番やりがいを感じる瞬間でもあります。
5.撤収・搬出
たのしいライブ、イベントが終了すると観客も帰路につき演者も楽屋で撤収作業がはじまります。
メインスピーカーは完全にお客さんがいなくなるまで雰囲気が崩れてしまうため撤収に時間がかかりますので、
他のものに関してできるものから超特急で撤去をはじめます。
はい、みんな追加料金が怖いからです。
場所によっては敷地外に搬出できてさえいればOKのところもあったり、まちまちですが急ぐに越したことはありません。
管理監督者の場合はそのほかにも主催者や演者との挨拶もこなしながらになるため大忙しでもあります。
また、人手がとにかく必要であった現場であれば、
現地で現金精算のスタッフなどもおりますので最後まで気を抜けません。
無事撤収を終え現地で解散するスタッフがいればそこで解散となります。
機材倉庫で合流するスタッフもここで先に出たりします。
搬出し終えた機材群は元の機材倉庫等に戻して整理をし終えてはじめて全行程終了となります。
連日の現場が控えている場合はそのまま別日程の機材準備をしたりと、深夜遅くまでになることも多々あります。
非常にハードではありますが、
音楽に触れて仕事をしているという実感の沸き方が尋常ではないのでやはり大きなやりがいのあるお仕事でもあります。
まとめ
音響のお仕事はハードですが、人の集うところにはなくてはならないとてもやりがいのあるお仕事です。
このコロナ禍でも感染対策をされてイベントを行っていらっしゃるのをご覧になった際は、
どうぞ応援してあげてください。